株式会社GA technologies様、イタンジ株式会社様

二人三脚のイノベーション(前編)

マーケティング

その他

左:イタンジ株式会社代表取締役野口様 株式会社GA technologies代表取締役社長 CEO 樋口様 / 右:LMP高橋、久松

業界の有識者にインタビューを行う当シリーズ。 今回はGA technologies樋口様、イタンジ野口様にGA technologies社起業の背景や、これからの不動産企業に求められることについて伺いました。

目次
●実業を経験したからこそ見えた課題
 抱き続けてきたIT領域への想いを軌道に乗せるまで
 ユーザーに寄り添うことが、これからの不動産企業の生き残る道


●ユーザーによりよい体験を提供したい
 統合がそれぞれにもたらす強みと相乗効果
 ユーザーの変化が進み、「体験の悪い企業」は淘汰されていく

実業を経験したからこそ見えた課題

抱き続けてきたIT領域への想いを軌道に乗せるまで

高橋 樋口様は、GA technologies社を起業される前は不動産企業にて勤務されており、営業トップとしてご活躍されていたと伺っています。起業にあたり、前職での実務を通して不便に感じたことなどがあり、デジタルやマーケティングの必要性を感じられたのでしょうか?

樋口様 いえ、営業活動を行う上で不便さなどは感じておりませんでした。目の前の数字を追うことにコミットする意識を強く持っていたため、そういった思いはあまり頭の中にはありませんでしたね。
 もともと24歳でIT領域に踏み出したいという想いはありました。ただ、理系でもエンジニアでもなかったため、いろいろな業界や業種を見た結果、「実力がつきそう」という考えで、まずは不動産領域に踏み出したのです。その後、不動産企業に5年務めてみて30歳になったタイミングでどうしてもITへの思いが捨てきれない中、当時フィンテック、HRテックなどクロステックが非常に流行っており、直観的に「不動産テックがこれから流行るだろう」と思い起業に至りました。
 ただ、起業して1年半ほどは事業モデルが固まらず、また新規事業を起こしては失敗して、の繰り返しでした。当時の私は新規事業に関しては「何かいいアイデアは無いかな」といった自身のアイデアベースで、ニーズをとらえられていなかったのだと思います。そんな時、Y Combinator 創業者 Paul Grahamさんの「新規事業はプロダクト・アウトではなく、マーケット・インであるべき」という言葉にハッとさせられました。そこで売買仲介で働いていた6年半を振り返り「解決すべき課題がたくさんあるな」と気づいたのです。それが源泉となり弊社のサービスの考え方である「一気通貫」「ワンストップ」に行きつきました。

高橋 なるほど。そういった原体験があったのですね。ちなみに起業当初からエンジニアのメンバーを採用されていたのですか?

樋口様 そうですね。ただ、やはり起業から1年半はエンジニア採用がうまくいかなかったです。僕自身もそこまでリテラシーが高くなく、戦略的な事業もなかったため、「エンジニア採用したくてもできない」状況でした。しかし、テクノロジーでイノベーションを起こしたいという思いは依然として強かったです。そのため、「会社としてのブランディング」、「自分自身もプログラミングの知見を学ぶ」、「ITに詳しいメンバーの顧問としてのアサイン」この3点をまずは進めました。こういった要素が揃ったときにようやく、面接でコミュニケーションが取れるようになりましたね。気合いと根性のスタイルから進化した瞬間でした。
 Y Combinator 創業者 Paul Grahamさんも「テクノロジーに踏み込むなら社内にエンジニアは必須である。外注ではなく内製でないとテクノロジー企業としての意義が無い」という趣旨のお話しをされていましたし、かなり勉強してエンジニア採用にコミットしていきました。

高橋 そんなストーリーがあったのですね。「マーケット・インだ!」と気づいて実際に事業に落とし込んでみて、手ごたえを感じたのはどんな瞬間でしたか?

樋口様 投資不動産でのお取引があったお客様とネット経由でお付き合いが始まり、リアルでも対面した際に「売買の取り扱いはないの?」というお声をいただいたことがありました。そこから「一気通貫」「ワンストップ」「WEBだけでなくリアルも組み合わせる」こういった要素によってよりお客様に寄り添えるビジネスモデルが始まりました。

高橋 投資不動産だけで終わらず、自宅用の不動産購入までお付き合いができる。まさにワンストップサービスですね。


■ユーザーに寄り添うことが、これからの不動産企業の生き残る道

高橋 これからの不動産企業は、エンドユーザーの人生により伴走できるような企業が生き残っていくように私自身思っています。またそういったご支援を弊社も行っていきたいと強く思っています。
 新規開拓型から伴走型へ、デジタルへのシフト、というのはなかなか一朝一夕で実現できるものではないと思っていますが、それを実現できる企業とそうでない企業の違いはどういったところにあるとお考えでしょうか。

樋口様 課題意識があるか否か、という要素はやはり強いと感じています。不動産取引の機会は人生の中で触れる機会がそれほど多くはありません。そのため不動産企業とエンドユーザーの間には情報の非対称性がありますよね。不動産企業が情報の面で優位な立場はそうそう崩れないので、不動産企業側は現状維持から脱却しなくても良い状態になってしまいます。

高橋 情報の非対称性について、どう変えるべきなのか示唆をいただくことはできますか?

樋口様 そうですね。例えばAmazonのようなビジネスモデルであれば、取引機会も多く、取引の際に顧客側に「不(不満・不足・不利など)」が貯まっていけば、その「不」を色々な企業・サービスが解消しようとします。ですが、先ほども申し上げた通り不動産は一個人の人生の中で取引回数が少ない。そのためエンドユーザー側は変わりにくいと思います。ですので、不動産企業側が「非対称性を解消するぞ」という絵を描き、解消するのをやり切るということがポイントだと思います。

高橋 そこを切り開くリーディングカンパニーが必要ですね。

樋口様 そうですね。個人的には、中小規模企業の多いこの業界の中で、ビッグプレイヤーがどう動けるのかが注目すべきポイントと思います。


ユーザーによりよい体験を提供したい

統合がそれぞれにもたらす強みと相乗効果

高橋 テクノロジーとイノベーションの文脈で、創業から約5年でスピード上場を果たすにあたり、改めて振り返ってみて「ここは大変だった」逆に「ここは思い通りに進められた」などのポイントを伺えますでしょうか?

樋口様 やはり先ほどの「エンジニアの採用」は課題でした。特にエンジニアを採用しても「そのエンジニアをどう評価するのか」がネックでした。GA technologiesはリアルからデジタルへのシフトを強みとしています。その点、イタンジの場合はテックからリアルを強化するという強みがあります。お互いの強みをうまく掛け合わせ、相乗効果をうまく発揮できるようになったのが2018年頃でした。ちょうどそのタイミングで、自社のサービス改善、toCサイトの開発、SaaSの開発などにも取り組みました。

高橋 野口さん視点で、GAさんと一緒になってみての所感はいかがでしょうか?

野口様 とても斬新だった記憶があります。我々はテックからのアプローチだったのと、GA technologiesとはビジネスモデルもカルチャーも違いましたので。最初はギャップに衝撃を受けましたが次第に「お互いの強みを生かしてもっと成長できる」と感じられるようになりました。

高橋 エンジニア側としても実業を知ることができるというのは良いポイントでしたか?

野口様 はい、子会社にRAM(株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENT)という管理会社があるのですが、イタンジの管理会社向けサービスをRAMへ導入し、開発・フィードバックのサイクルをコンパクトに実行し続けられるというのは強みの一つと感じています。我々のサービスを実際にグループ内で業務に活用することで、より迅速なフィードバックを受けやすくなったというのはとても大きいです。

高橋 自社の事業を成長させる、そしてそのノウハウをサービスにし、それを世にも広げて不動産業界のテック化を推進するという2軸を進めるイメージですか?

樋口様 はい、実業にしても不動産業界の取引すべてを自社だけで対応するのは難しいですから、イタンジやRENOSY X(※1)といったグループ会社でとプロダクト開発をしてそれを広めることでより便利な世の中にしていくというイメージですね。
(※1)株式会社RENOSY Xのこと。GAテクノロジーズのグループ会社で、不動産売買領域に向けて不動産システムを提供。


ユーザーの変化が進み、「体験の悪い企業」は淘汰されていく

久松 先ほど樋口様が不動産における情報の非対称性について「ユーザーが変わらないから企業が変わっていく」とのことですが、これからもユーザーが変化することは難しいのでしょうか?

野口様 いえ、私は「変わる」と思っています。
 不動産取引は情報の非対称性が許容されている構造になっていると思いますが、その構造が変わってこなかった要因の一つとして、「不利益の可視化」ができていなかったことがあると考えています。住み替えサイクルが頻度として少ないとユーザーに知見も貯まりにくい。次に引越しをする人に対して情報がアップデートして伝わらない。ところが、スマートフォンの登場により体験の可視化がされるようになりました。最近のユーザーはGoogleマイビジネスでのレビュー・口コミを通して不動産企業の様子を知ることが出来たり、InstagramやTikTokなどのSNSを活用して部屋を探したりと、自分で不動産情報を調べるようになっています。情報収集の環境、ユーザー側の習熟度が変わってきているんです。
下の世代ほど「体験の可視化」が進んでいるので、「提供する体験の悪い不動産会社」、情報の非対称性を解消しようとしない企業は淘汰されていくと考えています。情報の非対称性を構造的になくす時期に今まさに差し掛かっていると思います。
 6年ほど前は、情報の非対称性を無くすマインドを持っている不動産企業が少なかったように思えます。が、今では少しずつ増えてきているのではないでしょうか。ただし、今はまだ、無くそうとするマインドはあるが、無くすための手段が不十分です。加えて、情報の非対称性をなくすことで不利になるケースもある構造になっています。なので、情報の非対称性が無くなることで有利になる構造に変えていければいいのかなと思います。そこでポイントになるのがプラットフォーマーであると思います。情報の非対称性を無くし、ユーザー体験を向上させられる不動産会社が利益を享受できるような市場原理を作ることが出来れば変わっていくと考えています。


株式会社GA technologies 代表取締役社長 CEO     樋口 龍
1982年東京生まれ。幼い頃より世界的なサッカー選手を目指し、ジェフユナイテッド市原(現J2)に育成選手として所属。24歳の時にサッカー選手としての夢を諦め、ビジネスマンへ転身し不動産会社へ勤務。”巨大なマーケットを形成しながらも極めてアナログな不動産業界にテクノロジーで革命を起こす”と志し、2013年に株式会社GAテクノロジーズを設立し、代表取締役に就任。創業時から中古不動産の流通事業を展開。現在はテクノロジーを活用した一気通貫の不動産流通プラットフォームの構築を中心に、データドリブンでユーザー利便性の高い不動産取り引きを目指す。また、グループ会社を通じて自社開発の不動産業務支援システム(SaaS)を販売し、不動産業界全体のDXに取り組む。

株式会社GA technologies
2013年の設立以来、創業5年でマザーズ上場、2020年は630億円を超える売上を記録し急成長するGAテクノロジーズ。 現在は不動産がメインですが、金融、建設、保険等さまざまな領域にテクノロジーを導入して世の中を変えていきたいと考えているそうです。「世界のトップ企業を創る」というビジョンを掲げ、挑戦し続けている勢いのある企業です。
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イタンジ株式会社 代表取締役 野口 真平
早稲田大学教育学部卒。在学中に同大学主催のビジネスプランコンテストで優勝、学生向け SNS を企画開発し起業を経験。その後、IT企業に入社し、エンジニアとしてシステム設計を担当。2014年2月、イタンジ株式会社に入社。 同社でWEBマーケティング、不動産仲介業務、システム開発、管理会社向けシステムのコンサルティング業務、執行役員を経て、2018年11月代表取締役に就任。

イタンジ株式会社
2012年創業。「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をミッションに掲げています。
不動産賃貸領域においてのリアルタイムな業者間サイト「ITANDI BB」や、累計利用者数340万人の顧客管理・自動物件提案システム「ノマドクラウド」、累計電子申込数約40万件の不動産関連WEB申込受付システム「申込受付くん」など、賃貸不動産業界のDXを推進するサービスを提供しています。
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